こだわり
2010-07-28 19:51:58 (13 years ago)
ポストの依頼があり、製作しております。
鉄のポスト・・・正直言うとポストという物自体に鉄という素材が適してるのかどうかは疑問です。しかし鉄でということならばやるしかない。まず第一の懸念材料は『錆び』です。錆びは自然にかえる力として看板や表札などでは『それが味』でありますと言ってますが、ポストの役割的に考えてまず錆びは極力さけなければなりません。
作りかたとしては、アングル(山形鋼)でフレームを作り、1.6mmの鉄板を外から張ります。ここで重要なのが溶接!! 溶接にはさまざまな種類がありその役割によって適した溶接を用いるのですが今回このポストに関して私がチョイスしたのは『ガス溶接』という溶接です。
それは最終の仕上げ・・・溶接跡の角角をグラインダーで擦り合わせる為、かなりの溶け込みが必要です。別に溶接もデザインの一貫としてならばそれは良しなのですが、どうも日本人的考え?職人?としての悲しい性なのか擦り合わせにこだわってしまいます。そこでアークや半自動といった溶接ではすぐに穴があくため肉盛りを重視しがちになり、擦り合わせれば結局溶け込み不足でその時しのぎになります。ゆくゆくはそこから溶接がはずれて腐食の一途をたどる事になり、すぐに使いもにならないことになるといっても過言ではないでしょう。
というわけで・・・しっかりと溶け込み、さらに擦り合わせた部分の凹みは溶け込みの良であり、鉄の味わいと一体化するのだと感じます。
そして何より重要なのは、メンテナンス次第で
一生涯使えるポストになるということです!!
ディープな話ですみませんでした。